100年以上にわたり、低速(非効率)なションヘル型シャトル織機を使う理由は、生地に触れてみるとわかると思います。
幾多の経験から糸の種類やその日の天気(湿度)に応じてテンションを微調整し丹念に心を込めて織り上げられた葛利毛織工業の作品たち是非、手に取ってご体感いただきたいです。
フォーマルクロスから春夏・秋冬と日本の季節に応じて収録された葛利毛織工業の“DOMINX”コレクション。
フェレイラ兄弟によるオーストラリア産の最高級のモヘアのFERREIRA MOHAIR(フェレイラモヘア)100%のコレクション。キッドモヘア(~30ミクロン)より細い(~25ミクロン)とハリと滑らかさが共存している素晴らしい生地です。近年、英国製でも見かけないモヘア100%、仮にあったとしても円安の影響もありとんでもない値段だと思います(笑)
英国フランネルに勝るとも劣らない、葛利毛織工業“DOMINX”のフランネルコレクション。
恥ずかしながらお客様の仕上がりのスーツを見て思わず、オーダーしてしまったいわゆる“店主のお気に入り”生地です。
英国製のフランネルより予算は半分でこのクオリティは驚愕です!日本のモノづくりに対する姿勢は素晴らしいと思います。
ションヘル織機はドイツのションヘル社の織機が伝来し製造された国産のシャトル織機で、約50年前に普及しましたが、エアジェット織機など高速織機が普及する現在では、生産中止になり稼働台数も少なく、かつての名機と言われる希少価値のある代物となりました。多くの織物工場が革新織機を導入し生産コストダウンの邁進する中、葛利毛織工業がションへル織機に拘る理由は、手織りの風合いを保つためです。
今では超低速織機に属するションヘル織機は、手織りの織機の原理を動力化したシンプルな構造です。ガチャンガチャンと、部品それぞれがまるで一人の職人の手のように与えられた役割をこなし、繊維を傷めることなく優しくゆっくりと丁寧に一反の反物を織り上げていきます。経糸の張りも緩く遊びがある分、手触りが柔らかく膨らみ・収縮力があり、しなやかで弾性回復率が良く、その風合いの良さがスーツ地として最適です。